☆ 発達課題は、ハヴィガースト(Havighurst, 1953)が最初に提唱した。
※人間が各発達段階において達成しておくことが社会に期待されている能力
☆ 社会的に不安定な存在として、レヴィン(Lewin, K.)は青年を「周辺人」「境界人」(marginal man)と呼んだ。
☆ シャイン(Schein, E.H.)は、16~25歳で新人として組織に入った際、仕事およびメンバーシップの現実を知って受けるショックに対処することを発達課題のひとつとした。
☆ エリクソン(Erikson, E. H.)の心理社会的発達理論(ライフサイクル理論)
※「織物モデル」、「山登りモデル」、「進歩モデル」-漸成説
心理社会的発達理論では、発達段階が8段階に分けられており、各段階の発達課題が「VS」という対の形で表記されている
1.乳児期 (基本的信頼 VS 不信)
2.児童前期 (自律性 VS 恥、疑惑)
3.遊戯期 (積極性 VS 罪悪感)
4.学齢期 (勤勉 VS 劣等感)
5.青年期(12-30歳) (同一性=アイデンティティ VS 同一性拡散)
6.前成人期 (親密さ VS 孤立)
7.成人期 (生殖性 VS 自己没頭)
8.成熟期・老年期 (統合性 VS 絶望)
課題を達成しようとしまいと人は心理的発達とともにすべての発達段階を通過していく。
ただし、発達課題の成功や失敗は、次の段階の達成に大きく影響を与える。
また、各課題は、成功と失敗の対概念として提示されているが、必ずしも成功だけを体験しなくてはならないという意味ではないが、より多くの成功体験をもつことが発達にとって重要である。
各段階の発達課題の葛藤を乗り越えていかないと、次へ進めなくなる。
青年がアイデンティティを形成するために、どのような大人にありたいかを模索し、理想とする自己定義を他者に対して、もしくは社会において試すことを役割実験という。
☆ マーシャ(J.E.Marcia)が提起した概念
(青年期の発達課題であるアイデンティティ確立の研究による)
アイデンティティステータス(達成状況)
1.同一性達成
2.早期完了
3.モラトリアム(人生の選択をさけて、猶予期間にとどまっている期間-自己探求)
4.同一性拡散
アイデンティティ形成について、青年期前期の脱構成化、青年期中期の探求と再構成化、青年期後期の強化という3つの段階を想定している。