ブログ更新-「働き方の意識改革」

報道等でご存じの方が多いと思いますが、政府の働き方改革実行計画が3月末に発表されました。この取り組みは、日本社会をもっと活力あるものにするために、重要な視点の1つである働き方の改革からアプローチするものです。

http://www.kantei.go.jp/jp/headline/ichiokusoukatsuyaku/hatarakikata.html#headline

新聞・テレビなどの報道では、長時間労働の是正と同一労働同一賃金に偏っており、また生産性向上の観点が抜けているなどと批判的な向きもありますが(生産性向上については、促進するための助成制度充実を図る旨の記載があります。)、中身をよくみると、日本社会の活性化に貢献し、ひいては生産性向上に資する施策が目白押しです。 但し、これらを実現していくためには、従来の働き方にとらわれない、1人ひとりの意識改革が不可欠であり、言うまでもなくリーダーやマネジメント層の深慮が求められます。 電通の社員が自殺した件に関して、企業出身の大学教授が、長時間労働で自殺するなど嘆かわしい旨の発言し批判を受けましたが、自分が育った時代の価値観に縛られている人には抵抗を覚える施策があるかもしれません。

施策に通底する考え方をひと言でいえば、“柔軟な働き方、1人ひとりの労働価値観を尊重する社会の実現”といえます。

雇用形態や就業場所、方法の多様性はもちろん、女性や若者、障がい者、高齢者活躍の場の拡充、転職活性化、高等教育無償を目指す施策など、従来からの施策充実はもとより、様々な観点から働き方の多様性を実現し、社会参画への可能性拡大と能力向上を支援する国の覚悟を感じます。

組織での活動は協働が基本ですから、就業時間や場所が異なる人と協働することの難しさはあるでしょう。また、多様な価値観をもちながら、共通の目的を遂行することの難しさもあるでしょう。しかし、そういった難しさを乗り越えることが人間性の本質にあると思うのは私だけではないはずです。

人はもともとそれぞれ違う存在であり、違いを認め合うことで近代社会は成り立ってきました。そういった原理原則にたてば、働き方にもそれぞれ違いがあって当然であり、それを管理上難しいとか、当社の価値観に合わないといった理由で排除することは、実は組織の可能性を自ら減じているのだと私は思います。

働き方改革実行計画が目指すことは、人間として至極当たり前の生き方を官民あげて支援することであり、1人ひとりが活き活きと働き、充実感に満ちた人生の実現に他なりません。

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